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(~´▽`)~

日々是精進

今週の目がテン

カテゴリー : 目がテン
今週の目がテンは藍染めの科学でした。
聞いただけだと地味な伝統工芸って感じなのですが、結構面白かったです。

■JAPANブルー■
サッカー日本代表のユニフォームの色。
今まで、なんで青なの?日本なら赤か白なんじゃ???
・・・と思ってましたが、これには深い理由があったんですね。

まず間違ってたのはこのJAPANブルー、じつは藍色のことだったのです。
江戸時代からこの藍色は、外国人から日本を象徴する色として知られていたのです。
当時から着物・暖簾・布団・敷物・下着にいたるまで、この藍色を使っていたらしく、
明治時代東大に招かれた英国人科学者・アトキントン博士が、
この様子をJAPANブルーと名付け、世界に知らしめたそうです。

また一口に藍色と言っても、その工程で濃淡が派生し、
藍・瑠璃・浅葱・納戸・熨斗目・勝色など15種以上の呼び方があるとか。


■緑の葉っぱから■
藍色のもととなる色素の原料は「タデ藍」と呼ばれる植物の葉だそうです。
いわゆる「タデ食う虫も好きずき」のタデですね。
もちろんその葉っぱは緑色。
なんで緑色の葉っぱから、あの藍色が出るんでしょう?

その工程は以下のとおり。
 ①タデ藍の葉を発酵させる
 ②樫の灰汁、石灰、酒などを入れる
 ③熟成させる
すると、真っ黒な液体(藍液)ができます。

この藍液に白い布を浸けると茶色く染まります。
しかしどう見ても藍色には見えません・・・アリガトウゴザイマシタ(´・ω・`)
しかし時間が経つと空気に触れて、どんどん青く変色していきます。
タデ藍の葉に含まれるインジカンという物質。
これが空気に触れて酸化すると、インジゴという色素に変わるそうです。
そう、インディゴブルーのインディゴのことです。
職人さんによる様々な工程を経て、緑の葉っぱからあの藍色が作り出されているんですね。

染料から取り出したばかりの生地には不純物が付着しており濃い紺色って感じです。
しかし、生地を水洗いすることにより不純物を洗い流すと、きれいな藍色が発色します。
さらに、染める回数や藍液の状態で様々な色が表現できるそうです。
最初に上げた「甕覗(かめのぞき)」から「留紺(とめこん)」に至るまで
なんと15種類以上の色合いが表現されるとか。

■レッツ・デオドラント!■
下着、いわゆる褌にも藍染めが使われていたそうです。
これには意外な効果が・・・
藍色の成分には臭いを抑える効果があるそうなのです。

ここで実験。
普通の白いTシャツと藍染めのTシャツを用意。
それぞれのTシャツを着て、夏の日中にランニング。
そしてその汗をたっぷり吸ったTシャツを放置・・・イヤな予感が (`Д´)
白Tは、当然放置後に雑菌が繁殖し強烈な臭いを放ちます。
ところが藍Tは、白Tと比較するとあまり臭いがしません。
白Tは臭気センサーによると477。生ゴミと同じくらいの臭さ (´・ω・`)
ところが藍Tはと言うと291。まー下駄箱程度の臭さ (゚▽゚*)b
雑菌の繁殖を完全シャットアウトとは行きませんが、かなり抑えることは出来そうです。

藍染めの成分には、黄色ブドウ球菌の繁殖を抑える効果があるからだとか。
従って藍染めには抗菌効果が認められると、科学的な裏付けもあるそうです。

■伝統を守って■
江戸時代、阿波の国つまり今の徳島県では藩の奨励策により
タデ藍の栽培が盛んだったそうです。
しかし昭和となり太平洋戦争の最中には、食料増産命令のためタデ藍の栽培が禁止。
藍染め絶滅の危機に襲われました!(゚Д゚;)≡(;゚Д゚)

「このまま日本の伝統を途絶えさせるわけにはいかない」

・・・と立ち上がったのが、17代目藍師・佐藤平助とおっしゃる方。
密かに裏山にタデ藍の畑を作り栽培を続けたのです。
しかしこれは国策に反した行動であり、露見すれば罪に問われることに成りかねません。
この平助さんの命がけの行為がタデ藍を絶滅から救い、
ひいては伝統工芸である藍染めを今に伝えることになったのです。
その後、平助が残したタデ藍の種が日本中に伝わり、
おかげで今でも藍染めが伝統工芸として日本に残っているのです。

その平助のひ孫にあたる方が、今もタデ藍栽培の伝統を受け継いでいらっしゃるとか。
涙無しには語れませんなぁー ゜・(つД`)・゜・。



藍染めに対するを救ったのですね!
・・・と寒いジョークが決まったところで、来週のテーマ (^^ゞ

来週はパーム油の科学だそうです。
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